#0138 元漁師のキャンパーその 3
そんなお父さんの後ろ姿、写真に写っているガスコンロは、私があげたやつです。購入したのは去年の8月末だったかなぁ。
「顔は載せないでくれよ! なんせ俺はウォンテッド(指名手配中)だからな。」
冗談だよね? 冗談かなぁ? 少し冗談じゃない気もするけど、何も突っ込まないでおいた。
そしてお父さんは、今の生活だと年間50万円程度とも教えてくれた。
「携帯電話とかは持ってないよ、そこから足が付くからな。」
足がつくとは【犯人の身元や逃亡者の行方がわかる。】と言う意味です。
冗談なのかなぁ?
さらに私は、車はどうなっているのかと聞いたら
「他人名義だから大丈夫、エンジンナンバーもサンダーで削ってあるから!」
もう、深く考えないことにした。
そんなお父さん、ガスコンロが嬉しかったのか
「こんな時代に、親切は、嬉しいね〜。どうもありがとなぁ、兄ちゃん。」
新しく買い替えたかったのだが、捨てる場所に困っていたので逆に助かったとは言えなかった。
更にお父さんは、
「こんな場所で、俺みたいな奴から物を盗む奴がいるんだぞ、兄ちゃんもしっかり車には鍵をかけるんだぞ。」
アドバイス、ありがとうございます。
私はしっかりと用心して施錠しておりました、その理由がお父さんだったとは言いませんでした。
しかしここはダメな場所だ、いつまでも滞在できてしまうのだ。
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イカを焼いてみたり、
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ホタテとアスパラのバター醤油焼きとか、
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このように、卵に少しだけ穴を開けて
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ネットに包んで
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80度の源泉に入れると、温泉卵やユデ卵ができてしまうのだよ。
ゆで卵だけでなく、さとうのごはんとかレトルトパックとかを突っ込むと、簡単に食事が作れてしまうのです。
さらに、近所のおばちゃんと仲良くなって牛乳とかもらっちゃったりして
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そのまま飲むとお腹を壊してしまうらしく、いちど沸騰させなさい との事なのでホットミルクにして飲んでいました。
食っちゃ寝て温泉入って、夜は満点の星空の中で過ごし、朝は小鳥の歌声で目が覚めるという、素敵な毎日を過ごしていたのだが、このままではダメ人間になってしまう気がして、泣く泣くカラマツの湯を後にしたのでした。
カラマツの湯、また行きたいなー。お父さんと再会できるかしら?
それでは先に進みます。
加瀬